本当の評価は誕生した時点ではわからない。時代の波を受けとめながらどう成熟していくのか、社会経済にどんな効果をもたらしたのか、それによって何を実現したのか、長い歳月をかけてわかってくるものである。都市の評価に長い歳月がかかるのと同様に、つくる側も短期的な損得で考えていては再開発などできない。50年後、百年後の未来を想像しながら、そこで営まれる暮らしを考え、それにふさわしい器を考えながら、現実の壁をひとつひとつ乗り越えていくしかない。
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六本木ヒルズができたときには、その達成感で身体がふくらむような気持ちになるかと思ったが、そうではなかった。たとえるならば、峠に立ったような感じだった。峠は過去と未来を分けるところだ。峠に立つと景色が変わる。はるか彼方に未踏の峰嶺が連なり、眼下には人々の営みが広がっている。未踏の峰嶺が新たなプロジェクトに私を誘い、眼下に広がる街の景色は「街を育てる」という重要な仕事が残っていることを、私に気づかせた。強く感じたのは「ああ、まだまだやることがたくさんある。責任が重いな」という気持ちだった。
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