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滌除とは、抵当不動産の第三取得者が自らその抵当不動産の価格を評価して、この評価額の弁済によって、抵当権を消滅させるよう抵当権者に対して要求する制度である(民法378条)。この制度は、抵当権の実行により第三取得者がいったん取得した用益権を失うことを防止する一方、抵当権者も競売手続に要する日時および費用を免れ、いくぶん少額になるにせよすみやかに現金を得られる利益があるとされている。しかしながら第三取得者の抵当不動産に対する価額評価かまったくの任意であるため、実際に提供される滌除金額は抵当不動産の価格をはるかに下回ることになる。

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抵当権者は提供された滌除金額に不満であれば、もちろんこの要求を拒否することができる。しかし、そのためには増価競売の請求とそれに基づく抵当権の実行としての不動産競売の申立て(以下、「増価競売の申立て」という)という負担の多い手続によらなければならないので、抵当権者にとっては実際上拒否することに躊躇を感ずることにもなる。このようなことから、滌除制度は、現実には第三取得者が不当に廉価で抵当権を消滅させるための道具とて利用される面があり、立法論としては、この制度を廃止すべきであり、解釈論としてもなるべく制限的に解すべきだ、といわれるゆえんである。ところで民事執行法の制定にあたっては、滌除制度そのものにはなんら改正が加えられず、滌除の対抗手段たる増価競売の申立てについての規定が整備されたにとどまる。したがって民事執行法下においても、滌除権の行使は抵当権者にとって重大な脅威となっている。

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