DHAの働きとして、最近、抗ガン作用と抗アレルギー作用が注目されています。これらのことは、DHAの物理化学的な分子構造の違いというのがあらわれるのではなくて、それがもっと生物化学的な作用をするということによって説明できます。日本において、特に乳ガンとか大腸ガンの急激な増加が、魚の摂取量が減っていることと相関性があるといわれています。このことからも魚脂の効果について、ある程度推定できます。ガンを発生させるひとつの理由としていろいろな発ガン物質があります。そういう物質が、体内に入ってきて、制御のきかなくなった細胞が自分の身体の中にでき、どんどん増えてきてしまいます。その時に、それをさらに加速させる役目をする物質があります。そのひとつにプロスタグランジンという物質があります。その物質をDHAは抑えます。発ガン物質がきても、ガンになる人とならない人がいます。ガンになってしまう人は、たとえば発ガン性を促進するようなプロスタグランジンが、ある時、増えてきている人といえます。それを予防的にDHAをずっと摂取していることによって、プロスタグランジンを正常化する、増やさないように抑えることができます。これがDHAの生物化学的な働きで、物理的な構造によるものではないと思います。生物化学的にいうと酵素阻害、サイクロオキシゲネスという酵素があって、それを阻害します。そのことによって、プロスタグランジンの生産を抑えそして発ガンを抑える。だから発ガン物質を分解するのでもないし、ガン細胞を殺すわけでもありません。そのガン細胞がどんどん成長するのに必要なものを抑えてしまう、というのがDHAが生物化学的な生理活性を示すことで、説明できると思います。
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